【オメガヴァンパイア】感想 #3
オメガヴァンパイア、全ルートをクリアしてグランドエンドも見たので、今回は全体通しての感想を書いてみます。
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感想、「初めから続編ありきで作ったのでは?」。
前作のオメルタが個人的に大ヒットだっただけあって、花梨シャノアールΩさんの作品には期待していましたが、ちょっと残念なところが多い出来映えでした。Amazonのレビューであまり評価は高くないのを見て、プレイ前は「いや~またまた~」と思っていたのですが、実際にプレイしてみると納得です。
最大の不満はシナリオ。真祖の存在、刑一の出生、あるいは世界観そのものについて、明らかにならない点や十分に描写されていない点が多数あり、グランドエンドを見ても結局謎が残りました。というか、グランドエンドでさらに謎を深めて、そのまま放り出されてしまった形。
単純に力量の問題で書ききれなかったのであれば諦めもつくのですが、各ルートでも微妙に続編を感じさせるような終わり方をしていて(熊打の家族、村雨博士、ハインリヒのその後etc)、これは端から単作で完結する気がなかったのだろうなと思いました。穿った見方をすると、前作のオメルタがヒットして、予定になかったコードタイクーンを出し、味を占めたことで、続編を出すことを前提にこういったシナリオで世に出したのではないでしょうか。だったらきちんと続編を出してほしいです。
特に、今回は前作オメルタと違って、よりシナリオの根幹部分の謎が深く、それが魅力的であるだけに、とても残念でした。他ブランドを引き合いに出すのは双方に失礼だと承知していますが、それでも、ニトキラだったらこの設定をうまいことまとめてきただろうな・・・と思わずにはいられなかったです。
一方、オメルタ同様に、ギャグシーンは非常に満足。本筋を邪魔しない形で、テンポのよい笑いがあって、楽しめました。2周目で解禁されるシナリオ(保護者参観や肝試し等)だけでなく、本筋の中でも笑える部分は多々あります。谷くん、時には間違えるのが青春だよね・・・! 刑一がやたら環境に順応している点も地味に笑いました。「白狼ごめん、バイブは洗って返すから」的なことを言い出したときは本気でむせました。
凝った世界設定、推理小説・ミステリ作品的な謎解きに期待するのではなく、あくまでもハードボイルド風ギャグストーリーとして楽しむべきだったのかもしれません。個別ルート自体は、攻略対象との関係構築がΩの発情期に頼りすぎているものの、萌えるポイントは抑えてあったと思います。また、同軸リバなどの好き嫌いが分かれる内容も入れてあるのは、花梨シャノアールΩらしくてよかったです。
また、キャラクターも立っていて、このあたりは安心感がありました。過酷な状況に異様なほど順応している刑一くんはもちろん、谷くんや有村さんなど、魅力的なサブキャラも多数。個別のシナリオが特別長いわけではない中、うまくそれぞれの特徴を描いていたなと思います。
スチルのクオリティにも大満足でした。筋肉をしっかり描き込んであるものが好物なので、どのルートに進んでも眼福でした。サブキャラのキャラデザ・立ち絵も最高で、ポジティブな意味合いでも、派生が見たいという気持ちは強いです。ハインリヒルートの挿入前の差分なんかも最高。
うーん、書けば書くほど、他が良かっただけに本筋のシナリオが今ひとつだったことが悔やまれます。謎解きシナリオに期待しないのであれば楽しめるのかなと思いました。発売から5年弱が経過していますが、Switch版を出したりしているようなので、ぜひ続編で諸々を回収してほしいです。(と言いつつ、推しサブキャラの水木さんがグランドエンドで●んでしまったのが辛いところ)
考察というほどではないですが、なんとなく、小さい父さん(巡)はundefinedの兄弟・K-1という実験体で、刑一自体はふつうに生まれてきたのかなと解釈しています。刑一の”ハイブリッド”はダブルミーニングになっているのではないかと。でもそんだけ。いま出ている情報では何も解釈できません。
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現在はNitro+CHiRALのスロウ・ダメージをプレイ中です。ニトキラが一番好きなのですが、いや、やっぱり最高だった・・・。5年間首を長くして待っただけの甲斐はありました。感想は別途書きたいと思いますが、BLゲーム業界に限らず、コンシューマーゲーム全般が厳しい中でこうやって新作を出してくれることの有難みを感じました。BL・非BLいずれについても、コンシューマーゲームにきっちりお金を落として、応援していきたいなと思います。
あと、「エゴと後悔のジレンマ」をプレイし終えているので、そちらの感想も書きたいなと。これはエロ的な意味で非常によかったですし、シナリオも手堅くまとまっているので大満足でした。
【オメガヴァンパイア】感想 #2
前回の続きです。
3)源馬ルート
抱いて! 終始いい人で一貫していました。Ωのフェロモンに当てられつつも強靭な理性で手を出さず、人血も飲まない源馬さん、かっこよかったです。刑一の妄想でエロを挟んでくるのは笑った。
黒船来航とともに日本にやってきたハインリヒにヴァンパイア化され、色々あった後に人血を吸うのをやめ、人間とヴァンパイアの共存に取り組んでいる人。精神力の塊みたいな設定ですね。前回プレイした碧井ルートが人間・研究寄り、白狼ルートが世界観と離れた個別カプルートだったのに比べ、世界設定、ヴァンパイアのことに触れられていたので、最初にプレイしても良かったなと思いました。
刑一に対して保護者然としていた源馬の気持ちが変わっていったのが、結局「Ωの発情期に当てられたからでは?」という気はしましたが、ノスフェラトゥ無きあとの始末など、その後の情勢まできちんと締められていたのがよかったです。
また、GOOD ENDもさることながら、SAD ENDが好きでした。α同士のカプで、番になれないもどかしさ、Ωへの脅威を感じている・・・みたいな話、オメガバース設定ではないBLでもありますよね。αΩの関係と違ってより対等感があるというか、番システムに頼ることなく関係を築かなければいけない面倒臭さを感じて、割と好みです。
ただ、源馬ルートのMVPは有村さん。オメルタでは脇カプ、モブレなんでもござれでしたが、今作はそのあたり、割と抑制気味。にもかかわらず有村さんだけはおもちゃで弄ばれていて、作り手の性癖を感じました。あのあと、ファイトクラブでは素っ裸のまま戦ったんでしょうか。
独特の疾走感あるシナリオになんとなく満足した部分もある一方、よくわからなかった点も盛り沢山でした。
例えば、日本におけるヴァンパイアについて。後述のハインリヒルートをみると、ヴァンパイア自体はかなり以前から存在していた様子。でも、日本に入ってきたのは黒船来航のタイミングって、ちょっと不思議な感じがしました。また、エクスブラッドをきっかけにヴァンパイアが社会で表面化したと言う割に、社会受容が早すぎるという点は、前回と同様の感想です。
ブラッドベリーについては、「治癒効果+発情効果がある」という割に、場面によって都合のいい効果だけが発現しているような気も・・・? 量の問題なのかな。
ブラッドベリー関連では、碧井ルートではブラッドベリーに手を出したのは豪沢で、源馬ルートでは不渡が手を出したような話だったと思うので、ルート間で展開が違うような感じがしたのが気になりました。これは読み飛ばしかもしれません。
あとはソサエティ本部も不思議でした。ダニエルの方がハインリヒよりも格上とのことで、ハインリヒの危険性を考えたら、ダニエルに出動してもらってればα刑一が出る幕はなかったのでは。まあ忙しかったんでしょうね。
上記は世界設定の話ですが、源馬関連では、龍之介との関係も知りたかったなと。龍之介を血液袋にしつつ、彼の死をきっかけに人血をやめた、みたいなことでしょうか。ハインリヒと全国行脚していた頃の話といい、もちろん全てを描写するのが良いというわけではないと思いますが、もう少し知りたかった…。
BAD ENDの自己増殖も、なんかヤバそう、という形で終わっていたものの、何がどうヤバいのかが分からず、もやもやしました。しかも源馬さんが関係ないので、源馬BADは実質不在という。
他のルートにも言えることですが、設定チラ見せはしているものの、チラ見せされているパーツを繋いでなにか大きな全体像を描けるわけではない(描けるほどの情報はチラ見せされていない)ので、どうにもシナリオのもどかしさがあります。
4)ハインリヒルート
キャラビジュアル的には最推し。公式のサンプルCG以外も最高でした。筋肉エッロ! ちんちんでっか!
悪役として登場しつつ、ヴァンパイアになった当時の悲劇、贖罪の気持ちなどが描かれていく中で、刑一が徐々に心変わりしていくという展開。割と王道な感じでした。
他ルートでのオメガバース設定は、刑一を万年発情期にすることで、特に関係性を深めることなくエロに持ち込むためのトリガーとして機能していたように思いますが、ハインリヒルートでは妊娠の部分も使われていました(もちろんエロトリガーも)。妊娠する必要があったかはともかく。
最後の展開、喧嘩しているうちに妊娠が発覚して、「いやごめん! 喧嘩なんかしてる場合じゃなかった。お前もっと身体労れよ。俺も大事にするからさ」的ななし崩しで終わるので、普通に笑いました。EDも他キャラ含めて大円団で、うん、なんかまあよくわからなかったけど、よかったね、という暖かい気持ちに。
意外だったのがハメ殺しBADがなかったこと。こういう性欲全開キャラのBADって、だいたい受けが「おちんちんだいすき♡ もうらめ♡」ってなる展開がありませんか?? 今作はSADもBADも死にネタや悲壮感ある内容だったりと、エロ展開のものはほぼなかったように思い、オメルタからするとちょっと意外でした。
一番の見所は魔夜峰央が出てくるシーン。真面目なシーンなのに、思わず翔んで埼玉の公式HPを開いてしまいました。
で、このルートもやっぱりよくわからない点、もやもやする点も多数。
源馬ルートの後にハインリヒルートを攻略したので、α刑一とハインリヒの力関係がまったく謎でした。ハインリヒルートでボロ負けするα刑一を見て、いやおまえさっき源馬ルートで無双してたやん、と。個人的にはルート間での整合性が取れていないのって、ちょっと気になります。
EDでは、刑一が妊娠してなんとなく丸く収まっていますが、ファイトクラブの問題なども山積。あくまでも出場希望者が戦っているから良い、という建付けなのでしょうか。でも、本編の前半で、無理やり連れてこられた人が戦っている、みたいな設定もありましたよね。ソサエティ的にいいのか? ハインリヒはキャラビジュアル的にめっちゃ好みなのですが、人間の倫理観的にはファイトクラブ等々の件が精算されていないことがスッキリしませんでした。
ハインリヒの倫理観も謎です。人間牧場を作っている割に、第9区での古谷の行いにはめちゃくちゃ切れると。やっていること、変わらないと思うんですけどね。このあたり、オメガヴァンパイア全体を通して、ノリと勢いで突っ切ってしまっている感じがします(まあ刑一がそういう子なので・・・)。オメルタのときはあまり気にならなかったのですが、オメガヴァンパイアはベースとなる設定が色々存在しそうなだけに、シナリオの粗が目についてしまいます。
【オメガヴァンパイア】感想 #1
花梨シャノアールΩのオメガヴァンパイアを始めました。
発売当初からプレイしよう、プレイしようと思いつつ、なんだかんだしているうちに早5年が経過。ステイホームをきっかけに、ようやくのプレイです。
花梨シャノアールΩさんの「絶対に女性は登場させない」という強い意志は今作も健在。ひとまず途中までの感想を、備忘がてら。
1)碧井ルート
眼鏡キャラはそれほど刺さらない&世界観の大枠を把握するのに良さそう、という理由で、碧井ルートから始めました。感想は、「へ・・・変態の方・・・?」。
刑一が半ヴァンパイアになるきっかけを作った張本人ということで、その辺りのネタバレも有るのかと思いきや、あまり謎解きはなく、消化不良でした。真祖がなんなのかは置いておくとして、刑一の出生(レッドマーケットとの関係)、なぜΩになったのか、碧井十蔵が刹那に宿っていたとはどういうことなのか(これは真祖関係ですかね)、等々、いろいろな疑問が残ります。
各ルートで断片的に情報が明らかになっていくのだと思うのですが、碧井ルートでけっこう解説した気になっている感あるのが怖いところですね。ヴァンパイアの設定にしても、後半で「実はこんな能力もあります」という後付け的な展開があるので、 シナリオについてはやや心配気味です。それ、共通ルートで言ってよ、的な。オメルタのときは、シナリオ周りは特に心配なかったのですが。
刑一が碧井に惹かれていく理由も、もともと中学時代の憧れがあったとはいえ、「自分をダンプカーに轢かせてヴァンパイア化した人間を赦せるのか?」と疑問に思いました。感情移入しづらかったです。
碧井ルート自体は今ひとつでしたが、白狼ルートでの保護者参観など、サブキャラとしてのネタキャラ感はとっても好きでした。どんどん出てきてほしいです。
2)白狼ルート
古き良きツンデレ。Ω同士なのでニャンニャンするのかなと思いきや、どちらかというと友達、同級生的な感じで、なかなかよかったです。可愛らしいビジュアルの割に、ちゃんと男の子だったのもよかった。
おそらくオメガヴァンパイア全体の本筋にはあまり関わってこないルートなのかなという印象でした。その分、碧井ルートと違って余計なモヤモヤが残らなかったです。
白狼があまりにも源馬様LOVEなため、刑一を好きになったのが「自分を助けに来てくれたから」という風にも見えて、その単純さが可愛かったです。実際は、白狼にとって刑一は「自分と同じ中途半端/マイノリティ的な存在」でありつつ、「故郷の山や源馬、ソサエティ以外の新たな世界」でもあり、居場所を奪われる不安や、自己投影等々、ごちゃまぜの感情が向けられているのだと思うのですが。
GOOD ENDで番になるのは、やっているときに「好き?」って聞かれて「好き」って答えちゃうような、フェ●チオしているときに「ちんぽ美味しい?」って聞かれて「美味しい」って答えちゃうようなグルーヴ感がありました。そういう勢いも、若いカップルらしくて好きでした。ED後は、ソサエティの保護者たちに見守られながら、関係を深めていくんでしょうね。
両ルート終えて、楽しめているものの、世界設定にまだキャッチアップできていません。人工血液が5年前に開発された(=ヴァンパイアが世に出るようになった)ばかりな割に、ヴァンパイアが結構社会に溶け込んでいるように見えるのが引っかかっているような気がします。ニホンオオカミ(=狼人間?)狩りを踏まえると、ヴァンパイアも異形の存在として認知されていた気がするので、これまでの人間 vs ヴァンパイアの対立とか色々とあるようにも思うのですが。なにか自分が誤解しているのかもしれませんが、これから世界観なり、碧井ルートでわからなかった点などが明らかになっていくことに期待です。
ヴァンパイア周りの設定は、全体的に東京喰種を感じました。コーヒー、血液を自在に操れる、等々。
CGは全体的に大満足。個人的にはちんちんもっとでっかく描いて頂いて大丈夫です。
【ノンケ一発食べ放題】感想
■総評
伝説の痴漢師を父に持ち、伝説の痴女を母に持つ主人公が、自身の中に目覚める痴漢神との葛藤の中、伝説の雌尻を持つ攻略対象3人を痴漢していくゲーム。まとめると情報量が凄い。
大手のBLゲームブランド(ニトキラやピルスラなど)作品ではないため、やや不安はあったものの、十分に満足できる内容でした。
シナリオは全編アホ。「芋けんぴ 髪についてたよ」的な展開が続き、ある種の疾走感も感じられました。ギャグのノリについていけるかどうかで、評価は分かれてしまう気はします(痴漢を題材にしているので、アホに徹してくれてよかった)。
また、ルート分岐が早いこともあって、攻略対象と関係を築く過程は十分。性欲先行ですが。正直なところエロ以外はそれほど期待していなかったので、「10年ぐらい前に比べると、BLゲームのクオリティが上がったな」と感じました。
CGもクオリティ高めでした。何より、ちんちんが赤黒いのも下品な感じで大変好みです。
ただ、CGのクオリティが高いだけに、枚数がやや少なめだった点は惜しまれます。エロシーン以外では、クイーンオブサティスファクションとの「デュエっ!」あたりは、雌豚雌犬さんたちを見たかった気も・・・。
あとは、主人公の吉岡学のビジュアルが結構好みだったので、痴漢神のルートがあってもよかったかな。真相ルート的な位置づけで。まあ、真相もなにもないですが。
公式サイトがクローズしてしまっているので、追加シナリオをDLできないのが残念です。このあたり、新規・小規模ブランドならではの課題ですね。
各ルートは2時間程度。頭を空っぽにしたいときにおすすめの作品です。
■各ルート感想(攻略順)
1)真山ルート
美人系受け。非の打ち所のない人だと思いきや、蓋を開けてみると実はドMだった、というお話。眼鏡キャラは性癖に刺さらないのでサラッと流しましたが、クイーンオブサティスファクションとの「デュエっ!」は必見。
2)三崎ルート
バカ犬受け。大学生になってコンドームを知らないってバ・・・。自分が痴漢に遭いながらも「他の人が被害に遭わなくてよかった」と言うバ・・・。BAD ENDの吊り革に捕まりながらぶち侵されてるスチルがめちゃよかったです。
3)加塚ルート
良い子ヤンキー受け。痴漢神の正体(正体?)に最も近づくルートであり、攻略対象との関係もじっくり育んでいく感じがあったので、お話的に一番よかったです。お母さんとの面会のスチルがあったのは作品最大の謎。